岸田るり子さんにこのサイト独自のインタビューを行い、作家としての率直なお気持ちお考えなどをお聞きします。

■鮎川哲也賞贈呈式について

−贈呈式に向かわれる新幹線の車中ではどのようなことをお考えになっていましたか?
 人前で話すのが苦手なので、受賞の言葉がちゃんと言えるかどうかそればかりが気になっていました。

−贈呈式の席に着かれたときのご感想は?
 ひたすら緊張しておりました。

−壇上で賞状およびコナン・ドイル像を受け取られたときのご感想は?
 コナンドイルの像は、思っていたよりも大きいなと思ったのと、その重みを実感しました。

−選考委員代表の受賞作についてのコメントはどのようなものでしたか?
 島田荘司先生が代表をつとめられ、お褒めの言葉をいただき、非常に嬉しかったです。謎が目新しく、特にそのことに関して評価していただきました。

−ご自身はどのような受賞の挨拶をされたのですか?
 昔、リセーフランコジャポネというフランス人の学校へ通っていたことがあり、その頃飯田橋に住んでいたこと、二年前に最終候補に残った時に東京創元社の場所が同じ飯田橋にあることを初めて知り、不思議な縁を感じたことなどを話しました。その時の選評を読んで、自分の作品にはあまり個性がなく賞を受賞するほど抜きん出ていないことに気づき、本格ミステリーをもう一度勉強しなおして、挑戦した経緯などを話しました。

−出席者にはプロの作家が多いと思いますが、特にお話しされた方はいらっしゃいましたか?
 控え室に笠井潔先生が入ってこられた時は、私にとっては、雲の上のような方なので緊張しました。気さくに話をしていただき嬉しかったです。しかし、新人はたくさんでてくるので二作目、三作目をどんどん書かなくては作家としてやっていけないと言われ、貴重なアドバイスでしたが、非常なプレッシャーを感じました。その他、綾辻行人先生には、以前に23回の横溝正史賞の原稿を読んでいただいたお礼をいいました。「あの時があって、今があるのですから」という意味のことを言って励ましていただきました。有栖川有栖先生にも気さくにお話していただきました。その他、山口雅也さん、篠田真由美さん、近藤史恵さん、柴田よしきさん、芦辺拓さん、畠中恵さん、北森鴻さん、愛川晶さんなどともほんの少しお話しさせていただきました。その他の作家さん、著名な評論家の方々、他の出版社の方々とも名刺交換だけさせていただきました。そういえば、文学賞メッタ切りの方も来ておられました。
新人はこれからが大変という印象をうけました。

−自分もそのプロの作家の一員になられたご感想を
 一員になれたかどうかは今後の作品で決まると思います。一作目くらいでは作家になれたとは言えない厳しい世界だと思います。

−贈呈式が終わると、編集者の方などと二次会に行かれたと思いますが、差し支えなければそのときのご様子をお聞かせ下さい。
 二次会は島田荘司先生にさそっていただき、ホテルの向かい側の居酒屋に行きました。カッパワン登竜門出身の作家さん方と、俳優の金田賢一さんが一緒でした。金田さんはミステリー好きで、ミステリーをたくさん読んでおられるとのこと。島田先生と知り合いだそうです。島田先生には、いまと同じレベルの斬新な謎のミステリーをあと二、三作書きつづければ大成できるから頑張るように言われました。こんな大先生と間近でお話しできるとは思わなかったので、夢の中にいるような気分でした。しかし、先の厳しさに身が引き締まりました。となりに柄刀一さんと麻耶雄嵩さんがいらっしゃり、少しお話しました。その他、加賀美雅之さん、石持浅見さんなどがいらっしゃいました。いままで、プロの作家の知り合いは一人もいなかったので、そんな場所に自分がいることが不思議でした。
 とにかく、島田荘司先生は、迫力があってとてもかっこよかったです。

−ホテルの部屋に戻れたのは何時頃でしたか?
 十一時過ぎ頃だったと思います。
 翌日、帰りの新幹線では、偶然、真後ろに神津慶次朗さんが坐っておられびっくりしました。同じ新人、心細いので、また、連絡を取り合おうということになりました。

(2004/10/24)

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■鮎川哲也賞受賞について

−最終選考に残ったときのお気持ちは?
 純粋に嬉しかった。しかし、二回目だからといって受賞できるとは限らないのが鮎川哲也賞なので、今回もまたダメかもしれないといささか悲観的でした。
※岸田先生は、「ファミリー・シークレット」が第12回鮎川哲也賞の最終選考候補作に選ばれています。

−発表を待つ間はどのような心境でしたか?
 仕事上の悩みに神経を取られていた時期だったので、あまり気にしていませんでした。ですが、今回もダメだったら、次はどの賞に応募したらいいのか、残るはメフィスト賞くらいかな(二度目の横溝正史賞が一次まででダメだったので)、などと漠然と考えていました。

−受賞の知らせは何処でどのように聞かれましたか?
 自宅に東京創元社の担当の方から電話がかかってきて「受賞されました」と聞かされました。

−受賞の知らせを聞かれたときの心境をお聞かせ下さい。
 その日が選考の日であるとは知らなかったので、選考会の日程の知らせかと思ったら、いきなり受賞したと聞かされて、びっくりしました。電話を切ってから、「やったー!」という気持ちで飛び上がらんばかりに喜びました。

−受賞を知ったご家族の反応は?
 両親は私が小説を書いていることを知らなかったので「へ?」という感じで、知らせを聞いた当初はあまり興味がなさそうでした。最近では喜んでくれています。息子たちには殆ど無視されています。

−ご友人や知人の反応はどうでしたか?
 みんな喜んでくれました。お祝いの会もたくさんしてもらいました。

−受賞が決まった後にはどのようなことがあるのですか?
 担当の編集部長から連絡があり、東京で逢う約束をしました。そこで、選考委員の先生方のご意見を聞かされ、刊行についての打ち合わせをしました。その後は殆どメールでのやりとりでした。出版社には今の所、一度も行っていません。

−ありがとうございました。今後のご抱負を伺ってインタビューを締めたいと思います。
 今後の抱負については、具体的に何も考えていません。質の高いミステリーを書き続けることができればそれが理想です。

(2004/10/19)

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